ディクテーション − リスニング:学習の基本

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  1 学習の基本
   1-1 苦手意識の原因
   1-2 上達のメカニズム
   1-3 姿勢と考え方
   1-4 発音の要点
 2 学習法
   2-1 リスニング
   2-2 リーディング
   2-3 英会話
   2-4 語彙力強化
 3 教材
   3-1 TOEIC
   3-2 英会話
   3-3 リスニング
   3-4 語彙力強化
 4 表現集
   4-1 正しい英語表現
   4-2 ネイティブ英会話
   4-3 映画で英会話
   4-4 ドラマでビジネス英語
   4-5 映画でビジネス英語
   4-6 本気の英単語攻略
   4-6 ニュース英語
 5 留学体験記
   5-1 アメリカ大学留学
   5-2 おもしろ英語習得記
   5-3 アメリカ旅行記


 

2.学習法
                2-1 リスニング

 (6) ディクテーション

ディクテーションは、ネイティブの発音する英語を聞き、正確な英語に書き取っていく学習法です。
これは、英語の発音を音声として、正確に聞き取るためのものです。
この学習法は、専門家の間でも賛否両論あり、
扱いの難しい学習方法です。

効果的なトレーニングか?

実際に、この方法をきちんとやると、学習者に大きなストレスを長時間与え続けます。
したがって、この方法を強要されて、英語の学習を挫折する人も多くいたそうです。
ディクテーションの指南書には、テープの英語を完全に書き取れるまで何十回も聞くよう指導しているものもありますが、そんな必要はありません。

私自身、中級レベルに達したころ、英会話学校でディクテーションをやらされましたが、ただ挫折感を深めただけでした。
上述のように、初めての英語表現をテープで何度も聞かされ、ノートに書き取っていくのですが、まったく聴き取れない部分があり、「これではいくらトレーニングしてもリスニングの上達は見込めない」と強く感じたことを思い出します。

その後、私はディクテーションなど一切やらず、英会話を習得し、アメリカの大学院で修士号を取得しました。

ディクテーションは、英語学習のなかの補助的なトレーニング法として、部分的に取り組むことで効果があります
リスニング力の向上のためのメインの学習法として取り組むのはお勧めできません。

初心者のディクテーション

ディクテーションの特徴は、集中力を最大限に高めて英語音声を聞く、ということです。
これにより、英語特有の発音形態、「リンキング」「消音」「音の変化」などを聞き分けます。
(英語特有の発音形態については、当サイトの「発音の要点」をご覧ください。

ネイティブは、強烈なリズムとイントネーションとともに英語を発音します。
そのため、初心者には、弱く発音する部分や、単語と単語をつないで発音されたフレーズから完成された英文をイメージすることは、とうていできません。
したがって、英語特有の発音やイントネーションに慣れていない初心者がディクテーションに取り組むのは推奨できません。

初心者がディクテーションに取り組む場合は、まず、英会話教本の日本語訳をすべて読み、これから聞く英語の内容をあらかじめ把握しておきます。
そして、英語音声を1文ずつ聞きながら、ノートに聞き取った英文を書き落としていきます。

たとえば、下のような表現について解説してみます。
"I want you to do this."
これは「君にこれをやって欲しい」という意味です。
これを、ネイティブが話すナチュラルスピードで聞くと、"アウォニュルドディ"と聞こえてきます。
ネイティブは決して「アイ ウォント ユー トゥ ドゥ ディス」とは発音しません。

ディクテーションでは、このように、自分が認識している英語表現の発音とネイティブの発音の違いを認識し、正しい(ネイティブの)発音をインプットしていくことが重要になります。
こうして、ネイティブの英語音声をひとつひとつ正しく理解していくことは、必要なことです。

正しく認識して活用

実践してみるとわかりますが、ディクテーションはとても時間がかかります。
このような単調なトレーニングをメインに時間を費やしても、モチベーションの維持が困難で、やがて英語学習の楽しみも感じられなくなり、挫折してしまう可能性もあります。
やはり、入門・初級レベルの方には、ディクテーションではなく、リピーティングやシャドーイングで英語音声に慣れていくことが最も効果的なトレーニング法だと思います。
もしディクテーションを実践するなら、
本当に苦手とする表現だけをピックアップし、時間を制限したうえで実施してみてください。

使える英語を身につけるには、コストパフォーマンスならぬ、
タイムパフォーマンス(時間対効果)が重要です。
時間と神経を浪費して、収穫の少ない方法は、切って捨てるべきだと思います。

繰り返しになりますが、私もかつて、この学習方法に取り組んで、すぐにやめてしまいました。
それでも、問題なく、大学院で修士を取得するだけの英語力を身につけることができました。
英語は、やっぱり、楽しく継続するのが一番です!


  


 2-1 リスニング
  (1)精聴と多聴(入門レベル) / (2)精聴と多聴(初級) / (3)精聴と多聴(中級)
  (4)リピーティング / (5)シャドーイング / (6)ディクテーション / (7)聞き流し学習
  (8)映画やドラマによる多聴 (9)時事英語の多聴


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